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飽和脂肪酸とは?栄養士がわかりやすく解説|多い食品・目標量・上手な付き合い方
ダイジェスト
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肉や乳製品に多く、体内で合成できる脂質
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食品からの摂りすぎは悪玉コレステロール増加の一因
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脂質全体を減らし、大豆や魚へ置き換えると◎
『飽和脂肪酸』は、健康診断の結果を見たり、食事内容を見直そうとしたりする際によく耳にする言葉ですが、実際に何をどう気をつければよいのか迷ってしまうこともありますよね。この記事では、飽和脂肪酸が体の中でどのような働きをしているのか、なぜ摂りすぎに注意が必要なのかという基本から、無理なく取り入れられる食事の工夫までをあすけん栄養士が解説します。

飽和脂肪酸とは
飽和脂肪酸とは、「脂質」を構成している「脂肪酸」の一種です。脂肪酸は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、飽和脂肪酸は主に動物性の食品に多く含まれています。
また飽和脂肪酸は、体内でも合成することができる成分です。そのため、食事から必ずしも多く摂る必要はないと考えられています。 (※1)
飽和脂肪酸が多い食品
飽和脂肪酸は、次のような食品に多く含まれています。
| 種類 | 食品の例 | |
|---|---|---|
| 肉類 | 牛肉・鶏肉の皮・ベーコン、サラミ、ウインナーなどの加工品 | |
| 乳類 | バター・生クリーム・クリームチーズ | |
| 油脂類 | ラード・牛脂 |
意外に思われがちですが、植物性でもパーム油やココナッツオイルにも飽和脂肪酸が多く含まれます。「植物性=飽和脂肪酸が少ない」とは限らない点は覚えておきたいポイントです。 (※2)
さらに詳しい食品のリストは、こちらの記事も参考にしてみてください。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のちがい
脂肪酸は、含まれる食品や体への働きが種類によって異なります。
飽和脂肪酸
- 肉の脂身・バター・乳製品などに多く含まれます。
- 分子がまっすぐな形をしていて隙間なく並びやすいため、常温で固まりやすいのが特徴です
- 飽和脂肪酸は摂りすぎると血液中の「悪玉コレステロール(LDL)」を増やす原因になってしまいます
食事から摂らなくても体の中で自分で合成できるものなので、わざわざたくさん食べる必要はありません
不飽和脂肪酸
- 植物油・魚介類などに多く含まれます
- 分子の一部が折れ曲がった形をしていて隙間ができやすいため、常温で液体なのが特徴
- 特に青魚の脂や一部の植物油に含まれる飽和脂肪酸(n-3系やn-6系)は、人間の体の中では一切作ることができない「必須脂肪酸」です
必須脂肪酸は不足すると皮膚炎などを起こしてしまうため、食事から「意識して摂るべき良質な油」と言われます。
脂質の種類や働きについての詳細は、こちらのページもあわせてご覧ください。
飽和脂肪酸を摂りすぎると、どうなる?
飽和脂肪酸を摂りすぎる状態が続くと、血液中の LDL(悪玉)コレステロールの上昇に関わる一因 になると考えられています。LDLコレステロールが高い状態は、動脈硬化性疾患のリスクと関連するとされています。 (※1)「悪いもの」と決めつけて極端に避けるのではなく、摂りすぎを減らしていくことを目指しましょう。
「悪玉コレステロール値が気になる」という方は、食事選びの具体的な工夫について解説したこちらの記事もぜひ参考にしてください。
「目標量」は“合否ライン”ではなく、見直しのための目安
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、飽和脂肪酸の目標量は 1日の総エネルギーの7%エネルギー以下とされています(3歳以上のすべての年代)。(※1)
ここで大切なのは、この数字が「何のための目標か」です。飽和脂肪酸の目標量は、国が生活習慣病(脂質異常症など)の発症予防を目的に、「日本人が当面目指したい量」として定めたものです。(※1)背景には、飽和脂肪酸のとりすぎが LDL(悪玉)コレステロールの上昇に関わる一因 と考えられていることがあります。
言いかえると、目標量は 「これを超えたら病気」という合否ラインではなく、日々の食事を見直すためのものさしです。飽和脂肪酸は日常的な食品に広く含まれるため、目標を少し超える日があっても、それだけで問題になるわけではありません。1日ごとに一喜一憂せず、オーバーが習慣的に続いていないかを振り返る目安にしましょう。
※健診でコレステロール値などを指摘されている方は、医師・管理栄養士の指示を優先してください。
具体的な値はどのくらい?
飽和脂肪酸の油としての重量への換算は必要エネルギーによって変わるため、おおよそ1日十数グラム程度が目安です。 (※1)
成人の1日の推定エネルギー必要量(1,600〜2,400 kcal/日)から、「7%エネルギー以下」の飽和脂肪酸量を重量(g)に換算すると、以下のようになります。
- 1,600 kcal/日の場合: 1,600 × 0.07 ÷ 9 = 約12.4g以下
- 2,000 kcal/日の場合: 2,000 × 0.07 ÷ 9 = 約15.6g以下
- 2,400 kcal/日の場合: 2,400 × 0.07 ÷ 9 = 約18.7g以下
※脂質1g=9kcalとして計算
「自分は摂りすぎなの?」と気になる方は、まずは普段の食事を記録してみて、飽和脂肪酸が多い食品をどのくらいの頻度・量食べているか、チェックしてみましょう。
AI食事管理アプリ『あすけん』なら、食事を登録するだけで飽和脂肪酸の摂取量を自動でチェックできるので、「見える化」のために活用してみるのもおすすめです。
飽和脂肪酸と上手に付き合う3ステップ
まずは飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸の種類にこだわらず、そのおおもとである「脂質」の摂取量を減らすことから始めましょう。
飽和脂肪酸の摂取量がオーバーしてしまう場合、「脂質」自体の摂取量が多いと考えられるため、摂りすぎている分を減らすことを意識してみてください。
1. 飽和脂肪酸を多く含む食品を減らす
脂身の多い肉や加工肉、洋菓子・生クリームの「頻度」と「量」を見直してみましょう。料理に使う油も小さじで量ってみるとわかりやすいです。また、ついつい食べてしまう「お菓子」に含まれる飽和脂肪酸にも要注意です。
普段の食事に潜む「隠れ脂質」を見分けるコツについては、こちらの記事も役立ちます。
2. 飽和脂肪酸が少なめな食材に置き換える
肉の代わりに豆腐や厚揚げなどの大豆製品・魚(青魚)・卵を使った料理にしてみましょう。
例えば、牛サーロイン100gに含まれる飽和脂肪酸量は16.29gですが、厚揚げ豆腐100gの場合は2.09gと1/8の量になります。(※2)
卵も、100gで2.84gと厚揚げ豆腐と同じくらいです(※2 生卵の場合)。卵はコレステロールを気にして避けてしまう方もいるかもしれませんが、ポイントを押さえれば食事に取り入れられます。
詳しいコツはこちらの記事で解説しています。
管理栄養士がおすすめする「シチュー」レシピもぜひ試してみてください。
3. 選び方を変える
お肉は赤身やもも、鶏肉ならささみやむね肉を選んだり、ツナ缶は水煮タイプを選ぶと脂質を減らせます。
サラダのドレッシングを不飽和脂肪酸の多い油に変えてみるのもおすすめです。乳製品は低脂肪タイプを選んでみましょう。
良質な油をより効果的にとる方法については、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
飽和脂肪酸の目標量は、あくまで日々の食事を見直すための「ものさし」です。大切なのは、極端に避けることよりも、無理のない範囲で「減らす」工夫や「置き換える」習慣を少しずつ積み重ねていくことです。まずは今日から、お肉の部位を見直したり、魚料理を増やしたりと、長く続けられる健康的な食生活を続けていきましょう。
より詳しい実践方法を知りたい方は、こちらのコラムもぜひ参考にしてみてください。
FAQ
Q. 飽和脂肪酸はどのような食品に多く含まれていますか?
A. 主に肉の脂身や加工肉、バターなどの乳製品、ラードなどの動物性油脂に多く含まれます。また、植物性でもパーム油やココナッツオイルには多く含まれるため、「植物性=少ない」わけではない点に注意が必要です。
Q. 飽和脂肪酸を摂りすぎると健康にどのような影響がありますか?
A. 血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を上昇させる一因になります。LDLコレステロールが高い状態は動脈硬化などのリスクと関連するため、1日の総エネルギーの7%以下を目安に、習慣的な摂りすぎを防ぐことが大切です。
Q. 普段の食事で飽和脂肪酸を上手に控えるコツを教えてください。
A. まずは脂質全体の量を減らすことを意識しましょう。脂身の多い肉や洋菓子を控え、肉の代わりに豆腐などの大豆製品や魚を取り入れるのがおすすめです。お肉は赤身やむね肉、乳製品は低脂肪タイプを選ぶと無理なく減らせます。
化粧品ブランドに14年間勤務後、からだの内側からも美容や健康をサポートしたいという思いから栄養士の資格を取得。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。