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「一晩寝たら気持ちが軽くなった」のはなぜ?睡眠と心の回復力「レジリエンス」の関係

睡眠ケア 3分で変わる眠りのヒント 不調改善

ダイジェスト

  • 気持ちを切り替えられないのは、心とカラダの休息不足のサインかも
  • 睡眠不足は、感情のコントロールに関わる脳の働きに影響することも
  • 朝の光・日中の運動・香り・夜の照明で、心の回復力を支えよう

「いつもよりイライラする」「ちょっとしたことがなんだか心に引っかかってしまう」「ダイエットが思うようにいかずモヤモヤ…」そんな気分の日はありませんか?仕事や人間関係など、毎日の暮らしの中で心に負担を感じることは、誰にでもあるものです。

気持ちを切り替えられないときも、「自分の努力が足りない」と責める必要はありません。まずは、心とカラダを休める時間に目を向けてみましょう。連載「3分で変わる眠りのヒント」では、忙しい人でも今日から取り入れられる情報をお届けします。今回は、心の回復力を意味する「レジリエンス」と睡眠の関係、毎日に取り入れやすい眠りの工夫をご紹介します。

傷ついても戻る力

生物には、環境の変化に対応するさまざまな仕組みがあります。ストレスや困難に直面したときに、状況に応じて柔軟に対処・適応し、心の状態や生活を保ったり立て直していく力がレジリエンスだと言われています。「落ち込まないこと」や「いつも前向きでいること」というわけではないようです。  睡眠は、心身を休め、その回復を支える役目を担っています。レジリエンスのためにも大切にしたい生活習慣の一つです。

睡眠と心の反応

悩みが生じたり、つらいことがあった日の翌朝、「一晩眠ったら、少し気持ちが軽くなった」と感じた経験はありませんか?そこには、睡眠の次のような働きが関わっていると考えられています。

レム睡眠と感情の整理
睡眠中には、夢を見ることが多いとされる「レム睡眠」の時間帯があります。このとき脳内では、日中に起きた嫌な出来事から「感情の刺激」を整理し、「事実の記憶」へと変換する作業が行われていると考えられています。

睡眠と感情のコントロール
睡眠不足は、論理的な思考や感情のコントロールに関わる「前頭前野」の働きに影響すると言われています。睡眠時間が不足していると脳の奥にある本能的な感情(恐怖や不安)をつかさどる「扁桃体(へんとうたい)」が、ネガティブな刺激に過剰に反応すると考えられています。

レム睡眠と感情の関係については研究が進められていますが、その仕組みには、まだ十分に解明されていない点もあります。気持ちが落ち着かないときは、無理に考え方を変えようとする前に、「最近、十分に休めているかな?」と振り返ってみるのもよいでしょう。

できることから一つ。眠りを整える4つの工夫

ちょっと心が疲れたときこそ実践したい、眠りを整え、心の回復力を支える工夫をご紹介します。できそうなことを一つだけ試してみて、違いを感じてみるのも気分転換になるのではないでしょうか?

①「いつもと同じ時間」に起きて朝の光を浴びる

心が疲れているときほど、朝起きる時間のリズムを崩さないことが大切です。朝の光を浴び、目から光を感じると幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。このホルモンが夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になり、その夜の深い眠りと心の安定をもたらすと言われています。朝起きたらカーテンを開けて、光を取り入れてみましょう。無理のない範囲で毎日の起床時間をそろえることも意識してみてください。

②日中に気持ちよくカラダを動かす

散歩や通勤途中のウォーキングなど、無理のない運動を取り入れてみましょう。適度にカラダを動かすことは、気分転換や健やかな眠りにつながります。疲れている日は、短い散歩でも十分です。「しっかり運動しなくては」と気負わず、心地よく感じる範囲から始めてみてくださいね。

③好きな香りでリラックス(※1)

心地よい香りに包まれて、ゆったりと心身をほぐす時間を持つのもよく眠るための方法として知られています。一般的にはベルガモットやラベンダー、ローズの香りがリラクゼーションには効果的だと言われています。自分が心地よいと感じるアロマオイルを1〜2滴ティッシュなどに含ませ、枕元に置いてみるのもひとつの方法です。香りの好みや感じ方には個人差があります。無理に取り入れず、自分に合うリラックス方法を見つけてください。 

・ペットや新生児にはアロマオイルが有害となることもあります。使用を控えるなどの配慮が必要です。
・使用する製品の使用方法・注意事項を確認し、香りで気分が悪くなる場合は使用を中止してください。 

④夜は「脳を休める光環境」にチェンジ

就寝前は、スマートフォンなどの明るい画面を見る時間を短くし、落ち着いて過ごせる環境を整えてみましょう。寒色系の照明は、睡眠のためのホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまうと考えられています。夜の部屋の照明は暖色系にすることがおすすめです。夜の部屋は、高級ホテルのロビーのような「少し薄暗い」と感じる明るさがよいと言われています。

頑張ることと同じように休むことも大切に!

心の回復には、時間が必要なこともあります。すべてを一度に変えようとせず、まずは「朝、カーテンを開ける」「夜、照明を少し落とす」など、一つ試してみませんか?気持ちを無理に切り替えようとするのではなく、休める環境を整えることも、自分をいたわる大切な一歩です。今日の自分にできることから、心とカラダの健康を支えていきましょう。

※心が疲れていると感じたときは無理をせず休養をとり、つらさが続く場合は、周囲の人や医療・相談機関に相談することも検討してください。

参考・参照
※1『AEAJアロマテラピー検定公式テキスト1級』p.57「ホームケアの活用例」(公益社団法人 日本アロマ環境協会)
執筆 白石まや

外資系医療機器企業での勤務を経て、2019年にaskenへ入社。医療・PHR関連事業に携わり、あすけんアプリの機能「睡眠アドバイス」の提供をきっかけに、「スリーププランナー」「上級睡眠健康指導士」を取得。趣味はランニングとYOGA。

監修 大木都(ヘルスケアコーディネーター)

上級 睡眠健康指導士/漢方養生指導士 (薬物学マスター)/睡眠環境・寝具指導士/株式会社310LIFE(サトライフ) 代表取締役社長。宮城県出身。広告代理店でのWEBプロデューサーなどを経験後、ヘルステック事業のベンチャーにて新規事業立ち上げを各種担当。健康増進のための病院の立ち上げ&運営に携わり、アプリとスマートウォッチを活用した2,000名以上への個別パーソナルコーチングを経験、1人1人の食事・運動・睡眠のデータを通じてライフスタイルに寄り添ってきた。これらの経験から、健康を維持し続けるには「日本らしく、ちゃんと続けられるヘルスケア」が何より大切で、効果が高いと感じている。

https://suimin-yojo.jp/
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