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高血圧の食事、何から変える?健診で血圧が高めと言われた方へ【栄養士監修】

健康診断 あすけん栄養士 健康管理のコツ 血圧 食事の選び方

ダイジェスト

  • 食塩・体重・野菜不足が重なる血圧上昇の原因
  • 朝・昼・夕の場面別に進める減塩のコツと実践例
  • 野菜・果物を毎食に少しずつ。カリウムの摂り方

健診で「血圧が高め」と言われても、何から変えればいいのか迷う方は多いのではないでしょうか。高血圧の食事は、特別な食材を探すより、食塩や野菜の量など毎日の食べ方を見直すことが基本です。この記事では、原因から朝・昼・夕の実践例まで整理します。

血圧が高くなる原因は?食塩や体重などがいくつか重なっていることが多い

日本人の高血圧の最大の原因は、食塩の摂りすぎです。肥満や飲酒、運動不足、睡眠不足、ストレスなども関わり、これらが組み合わさって血圧が上がると考えられています(※1)。

食塩の摂取量

食塩は、日々の食べ方の中で増えやすい成分です。ラーメンなど麺類の汁を飲み干す、漬物や味噌汁を毎食とる、しょうゆをかけて使う、といった習慣が重なると、気づかないうちに量が増えがちです(※1)。令和6年の調査では、食塩摂取量の平均は9.6gで、健康日本21(第三次)の目標7gを上回っています(※2)。

体重

体重も血圧に関わる要素です。特に内臓脂肪がたまっている場合は、減量が血圧対策のひとつです(※1)。下記記事に詳しい情報がありますのでチェックしてみてください。

野菜の摂取量

野菜の不足も原因のひとつです。野菜や果物に含まれるカリウムには、食塩に含まれるナトリウムの排出を促す作用があり、血圧を下げる方向に働くことが報告されています(※3)。

食塩が多く野菜が少ない食事では、ナトリウムとカリウムの摂取比が高くなりがちです。この比は、下げることが重要な指標のひとつですが(※3)、野菜摂取量の平均は258.7gで、目標の350gに届いていません(※2)。

食塩の目標量と減塩のコツ

食塩の目標量は、18歳以上で男性7.5g未満、女性6.5g未満です(※3)。高血圧の方には、1日6g未満が勧められています(※1)。平均は目標を約3g上回っているため、まずは1食ずつ少しずつ減らすことから始めたいところです(※3)。

朝・昼・夕の場面ごとのポイント

朝は、ハムやベーコンなどの加工品を見直す

ハムやベーコンなどの加工品は食塩を含むため、毎日ではなく回数を決め、ほかの日は納豆や焼き魚、卵料理に替えるのもひとつです(※1)。

味噌汁やスープは具だくさんにして、汁の量を減らします。

昼は、外食・麺類・コンビニが多い場合は汁ものと漬物を調整

麺類の汁は、残すだけで食塩が2~3g減ります(※3)。ラーメンの汁を全部飲んだ場合、食塩は汁だけで6g近くになります(※1)。

定食や丼ものでは、漬物や汁物の1回量を減らすのがコツです(※1)。コンビニでは、パッケージの栄養成分表示で食塩相当量を確認して選ぶよう心がけましょう。

外食・コンビニでの工夫は、こちらを参考にしてみてくださいね。

夕は、自炊で「かける」を「つける」に変え、酸味と香りで味を足す

しょうゆやソースは、かけずにつけて使うのが基本です(※1)。酢や香辛料、香味野菜、かんきつ類の酸味や香りを使えば、塩味を減らしても物足りなさを補いやすくなります(※1、※3)。

ほかの減塩の工夫は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

カリウムを含む野菜・果物を、毎食に少しずつ足す

カリウムの目標量は男性3,000mg以上、女性2,600mg以上ですが、平均は男女とも約400〜600mg不足しています(※3)。

野菜は1日350g以上が目標で、副菜(小鉢1つ分で約70g)にすると5つ分です(※3)。カリウムは野菜や果物のほか、牛乳・乳製品、お茶(※3)、大豆製品(※1)にも含まれます。

カリウムを含む食品の例

  • 野菜:ほうれんそうのお浸し、こまつなの味噌汁、さといもの煮物
  • 果物・乳製品:バナナ、ヨーグルト、牛乳
  • 大豆製品:納豆、豆腐(冷ややっこ、味噌汁の具)、豆乳

朝は果物かヨーグルト、昼は野菜の小鉢、夕は野菜の煮物をひと皿足す、といった形だとイメージしやすくなりますね。

野菜のとり方は、こちらの記事を参考にしてください。

ただし、腎臓の病気がある方はカリウムの摂取制限が必要な場合があります。医師から腎臓病と言われている方は、医師の指示に従ってください(※1、※3)。

カリウムを含む食材と、次の章で触れる「魚」について表にまとめました。

食材役割食べ方
ほうれんそう(葉・生)カリウムを含む(100gあたり690mg)お浸し・味噌汁の具・卵とじ
こまつな(葉・生)カリウムを含む(100gあたり500mg)味噌汁の具・煮浸し・納豆あえ
さといも(球茎・生)カリウムを含む(100gあたり640mg)煮物・具だくさんの汁物
バナナカリウムを含む(100gあたり360mg)朝食にそのまま・ヨーグルトに添える
納豆カリウムを含む大豆製品(100gあたり660mg)納豆ご飯・野菜とあえる
青魚(さば・さんまなど)n-3系多価不飽和脂肪酸を含む焼き魚・煮魚・缶詰などでもとれる(食塩相当量の表示を確認しましょう)

数値は可食部100gあたり・生の値で、納豆は糸引き納豆の値です(※4)。

飽和脂肪酸とコレステロールの摂りすぎを防ぐ

高血圧が進んで動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などになりやすくなります(※1)。そのため、動脈硬化を防ぐ視点から、脂質の摂り方も見直しておきたいところです。

特に気をつけたいのが、肉や乳製品の脂質に含まれる飽和脂肪酸です。脂質異常症の食事では、適正なエネルギー量のもとで飽和脂肪酸を控えると、動脈硬化性疾患の発症リスクが下がるとされています(※5)。高血圧治療ガイドライン2019でも、飽和脂肪酸と食事性コレステロールは控えめに、多価不飽和脂肪酸は積極的に摂ることが勧められています(※6)。

飽和脂肪酸の目標量は、総エネルギーの7%以下です。たとえば1日の目標摂取カロリーが2,750kcalの場合、約190kcal以下で、脂質1gは約9kcalなので、飽和脂肪酸は1日約21g以下が目安になります。2,050kcalの場合は約140kcal以下となるので、1日約16g以下になります。

2,750kcalは30〜49歳男性、2,050kcalは30〜49歳女性で、いずれも身体活動レベルが普通の場合の推定エネルギー必要量です。

この目標量は、生活習慣病の予防のために目指したい値ですので、少しずつ近づけていくように取り組みましょう。

飽和脂肪酸は「脂質」の種類ですので、食事全体で見たときには脂質の多い食品を控え目にすることが大切です。

肉・魚・大豆製品をバランスよく

毎日の食事では、肉は脂身の少ない赤身を選び、バターや生クリームは使う量を決めておくと減らしやすくなります(※5)。

卵や、肉・魚の内臓はコレステロールを含むので、食べる頻度が多すぎないかを振り返ってみてください(※5)。

ただ、肉や卵をなくす必要はありません。主菜を肉・魚・大豆製品で順番に回し、青魚の日や豆腐・納豆の日をつくれば、バランスがとりやすくなります(※5)。

食事を記録すると、食塩・食べすぎ・野菜不足のくせが見える

減塩や野菜を足す工夫を続けるには、いまの食事を知ることが出発点です。食事を記録すると、いつ、どんなときに、どのようなものを食べたかがわかり、課題や改善点を「見える化」できます(※7)。

麺類の汁を飲み干す日が多い、野菜が少ない食事が続いている、夜に間食が増えた・・・など、記録してみると、こうした自分のくせが見つかることがあります。

食事の記録は、写真を撮っておいたり、手帳やノートにメモしておくなどご自身のやりやすい方法を試してみるとよいです。「あすけん」などの食事管理アプリもそのひとつで、食べたものを記録すると食塩相当量などの栄養バランスを確認できます。家庭で測った血圧とあわせて見ると、食事と血圧の関係を振り返る材料にもなります(※1)。

整った栄養バランスは毎日の記録から
あすけんアプリでは、食べたものを記録するだけで栄養バランスを自動で採点し、管理栄養士からのアドバイスが届きます。ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。

高血圧の食事は、できるところからひとつずつ変える

血圧が高めと言われても、高血圧の食事を一度にすべて変える必要はありません。まずは朝・昼・夕のどこかで食塩を減らしたり、毎食に野菜をひと品足してみたりと、できそうなことから始めてみましょう。記録をつければ、続けた変化もさらに振り返りやすくなりますよ。

FAQ(よくある質問)

Q.お酒は血圧に関係しますか?

A.関係します。高血圧では、少量の飲酒でも飲酒自体が発症リスクを上げると報告されています(※3)。飲酒習慣のある男性の高血圧患者で飲酒量を約80%減らしたところ、1〜2週間で血圧が下がったという報告もあるため(※6)、まずは量を減らす、飲まない日をつくるといった方法がおすすめです。

Q.食事を変えれば、薬なしで血圧は下がりますか?

A.血圧の下がり方には個人差があり、薬が不要になるかどうかも血圧の高さなどで変わります。食塩を1g/日減らすと、収縮期血圧は約1mmHg強下がると期待されています(※6)。変化が出るまでの期間にも個人差があるため、家庭で血圧を測り、食事を見直す前後の数値を比べてみるのもひとつの方法です。

免責表記

この記事は一般的な栄養情報であり、個別の診断・治療・医療アドバイスではありません。健診で再検査や受診を勧められた方、治療中や降圧薬を服用中の方は、担当医の指示を優先してください。気になる症状があるときは、早めに医療機関に相談してください。

参考・参照
※1e-ヘルスネット 高血圧〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※2厚生労働省 令和6年国民健康・栄養調査結果の概要〈https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※3e-ヘルスネット 栄養・食生活と高血圧〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-002.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※4文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※5e-ヘルスネット 脂質異常症の食事〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-012.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※6厚生労働省 日本人の食事摂取基準 生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連(高血圧と食事の関連) 
※7e-ヘルスネット 肥満・メタボリックシンドローム予防の食事〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-009.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)

執筆 あすけんmore編集部
多田 綾子
監修 多田 綾子(栄養士)

化粧品ブランドに14年間勤務後、からだの内側からも美容や健康をサポートしたいという思いから栄養士の資格を取得。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。

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