ベーグルはダイエット向き?カロリーや賢い食べ方を栄養士が解説
ダイジェスト
-
100gあたりの脂質は低いが、カロリーや炭水化物量は食パンより高い
-
もっちりしていて中身もつまっており、少量でも食べ応えがある
-
プレーンを選び、野菜やたんぱく質と合わせる
モチモチとした食感と豊富なバリエーションで人気のベーグル。SNSやメディアでは「ダイエットの強い味方」として紹介されることが多い一方で、「ずっしり重くて実はカロリーが高いのでは?」と疑問や悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
今回は、ベーグルの栄養価やほかのパンとの違い、ダイエット中における具体的な選び方や食べ方などについてあすけん栄養士が解説します。

ベーグルの特徴
ベーグルがほかのパンと違うところは、原材料と製造工程にあります。
乳製品・油脂・卵を使わない
食パンやクロワッサン、菓子パンの多くには、風味や柔らかさを出すためにバター、マーガリン、牛乳、卵、ショートニングなどの乳製品や油脂、卵が使われています。しかし、プレーンベーグルの基本材料は「小麦粉・水・塩・酵母」のみ。脂質の含有量が少ない点が特徴です。
ケトリング(茹でる工程)
ベーグルは、オーブンで焼く前に発酵した生地を熱湯で茹でる「ケトリング」という工程があります。茹でることで生地の表面のデンプンがアルファ化(糊化)し、膜を作ります。これにより、焼いたときに中の水分が逃げず、あの独特なギッシリとした詰まり感と強い弾力(噛みごたえ)が生まれます。
ベーグルの栄養・カロリー
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」による、可食部100gあたりの栄養成分の比較は以下の通りです。
| 100gあたり | エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
|---|---|---|---|---|
| ベーグル | 270kcal | 9.6g | 2g | 54.9g |
| 食パン | 248kcal | 8.9g | 4.1g | 43.9g |
| クロワッサン | 438kcal | 7.9g | 20.4g | 49.6g |
【商品差がある前提での注意点】
データを見るとわかる通り、100gあたりのエネルギーや炭水化物だけで比較すると、実はベーグルは食パンよりもやや高めです。しかし、脂質は、食パンの約半分、クロワッサンの10分の1以下に抑えられていることが分かります。
ただ、この数値は標準的な材料のベーグルの分析値であるため、フレーバー(チョコ、キャラメル、チーズ、ナッツなど)や、お店によっても材料やレシピによって油脂や砂糖の量が変わり、カロリーなどの栄養価は変わってきます。商品ごとに栄養成分を確認してみるとよいでしょう。
一般的なパン類の1食分の重量でも比べてみましょう。
| 1食分あたり | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
|---|---|---|---|---|
| ベーグル(1個80g) | 226kcal | 7.7g | 1.6g | 43.7g |
| 食パン6枚切り(1枚60g) | 149kcal | 5.3g | 2.4g | 26.3g |
| 食パン5枚切り(1枚70g) | 174kcal | 6.2g | 2.9g | 20.3g |
| クロワッサン(1個60g) | 263kcal | 4.7g | 12.2g | 29.8g |
※それぞれの1つあたりの重さは、あすけんmore編集部調べ。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年を参照し重量換算をして算出。
ダイエット中の賢い選び方・食べ方
ベーグルは、その脂質の低さと噛みごたえを活かすことで、ダイエットの味方になる食品です。
おすすめの選び方
カロリーコントロール中はプレーンタイプがおすすめ
ダイエット中に選ぶといいベーグルの種類としては「プレーン」がよいでしょう。「プレーン」はフレーバーを付けるため追加の具材や調味料が入っていないため、最も材料がシンプルで糖質や脂質がほかの種類よりも控え目、と考えられるからです。
食物繊維を意識するなら全粒粉・ライ麦・ブラン(ふすま)のベーグル
全粒粉やライ麦は、精製された白い小麦粉と比べて、食物繊維やビタミンB群を多く含みます。食物繊維は、糖質の吸収を穏やかにすると同時に食後の血糖値の急上昇を抑え、脂肪のつきにくいカラダづくりをサポートします。
甘さや食感を楽しむならブルーベリーやナッツ入りのベーグル
ベーグルの楽しみ方をさらに広げてくれるのは、ブルーベリーなどのフルーツ入りのものや、ナッツなどが入ったもの。甘味がついていて食べやすいと感じる方もいるかもしれません。甘い系を食べたくなったら、1度に食べる量や、頻度にも注意をするようにしましょう。
おすすめの食べ方
ベーグルは単品で食べると炭水化物に偏ってしまいます。また、ベーグルならではの弾力やボリューム感を活用してヘルシーな食べ方ができます。
サンドイッチにする
たんぱく質と野菜を挟んだサンドイッチにするのがおすすめです。
スモークチキン(またはツナ水煮缶)+レタスやトマトなどの野菜
脂質を抑えつつ、たんぱく質とビタミンを摂ることができます。
カッテージチーズ(またはギリシャヨーグルト)+スライスしたいちごやブルーベリー
クリームチーズの代わりに低脂質な乳製品を使うことで、カロリーを大幅カットできます。
よく噛んで食べる
ベーグルの生地はケトリングによりギュッと凝縮されており、ほかのパンに比べて強い弾力と噛みごたえがあります。そのため、自然と噛む回数が増えるのが大きなメリットです。よく噛んで食べることで、脳の満腹中枢が刺激され、少ない量でも高い満腹感が得られます。
1回に食べる量を半分にする
ベーグルは水分が少なく生地が詰まっているため、見た目以上にしっかりと重量があります。1個あたりのカロリーや炭水化物量は、やや高めです。ダイエット中にベーグルを食べる場合や、ほかにもおかずを一緒に楽しみたいときは、1回に食べる量を「半分」にするとカロリーオーバーを防ぎながらヘルシーに楽しむことができます。
知っておくべき注意点
ダイエットに優秀なベーグルですが、食べ方には注意しましょう。
1食に何個も食べる・間食にする
ベーグルは茹でる工程があるため生地がギュッと凝縮され、1個あたりの重量が重めです。
ベーグル1個80gのカロリーは226kcal、大きめサイズだと100gくらいあり、カロリーは270kcalです。大きめサイズの場合、カロリーは、お茶碗大盛りのご飯(約180g)や、食パン2枚分(6枚切り1枚60g)に匹敵します。
ヘルシーなイメージがあるからといって、食事の主食として2個食べたり、おやつ代わりに1個丸ごと食べたりすると、カロリーオーバーになることもあります。ご自身の1日の適正な摂取カロリーにもよりますが、ダイエット中は「1食につき1個(あるいは半分)」を目安にするとよいでしょう。
トッピングの量や種類に注意
ベーグルといえばクリームチーズを塗るのが定番ですが、ダイエット中の場合は、1度に塗る量には注意が必要です。クリームチーズは100gあたり約310kcal、脂質が約30gと脂質が多めの食品です。
ベーグル本体の脂質が低くても、そこに大さじ2杯のクリームチーズと砂糖たっぷりのジャムを大さじ1杯塗ると363kcalになり、一般の菓子パンと同等の高カロリー・高脂質になってしまいます。量やトッピングするものには気を付けましょう。
菓子パン系ベーグルを選ぶ
スーパーやコンビニ、一部の専門店で売られている「チョコチップ」「クッキー&クリーム」「キャラメル」などが練り込まれたベーグルは、栄養価的には「ベーグルの形をした菓子パン」に近いものがあります。製造工程でバターや油脂が使われているケースも多く、ベーグル本来のメリットである「低脂質」が失われていることが多いため、成分表示のエネルギーや脂質の欄をチェックしましょう。
ベーグルは、脂質が低い点が特徴で、上手に食べればダイエットをサポートしてくれる主食です。「パンを食べたい欲」を我慢してストレスを溜めるなら、脂質が少なく満足感の高いベーグルを賢く食事にとり入れてみませんか? 選び方と量をコントロールすれば、ベーグルはあなたの味方になってくれるはずです。
FAQ
Q. ベーグルはダイエットに向いていますか?
A. 乳製品や油脂を使わないため一般的なパンより低脂質です。強い噛みごたえにより自然と噛む回数が増え、少ない量でも高い満腹感を得られるため、食べ方を工夫すればダイエットの味方になります。
Q. ヘルシーなイメージがありますが、カロリーも低いですか?
A.100gあたりの栄養成分で見ると、ベーグルは「低脂質」ですが、実はカロリーや炭水化物量は食パンよりやや高めです。「ヘルシーだから」と食べ過ぎるとカロリーオーバーにつながります。ダイエット中は1食につき1個(または半分)を目安にしましょう。
Q. ダイエット中におすすめの選び方や食べ方は?
A. シンプルな「プレーン」を選び、チキンや野菜を挟んでサンドイッチにするのがおすすめです。栄養バランスが整い満足感も上がります。クリームチーズの塗りすぎや、甘い菓子パン系ベーグルには注意しましょう。
大学で栄養学を学び栄養士の資格を取得。在学中は、経産婦の体型意識を調査し、健康的な体型と理想的な体型の差を研究した。3人の子どもを産み、自身の体型や食事が子どもに与える影響から、食事の重要性を再確認し、食を通じて多くの人の健康やダイエットのサポートしたいと考え、現在はあすけんコラム執筆の他、栄養価計算やメニューデータの整備などを行う。