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減塩は高血圧予防だけじゃない?全世代が知るべき食塩摂りすぎのリスク

ダイジェスト

  • 食塩の摂り過ぎは肥満や糖尿病のリスクを高める可能性がある
  • 加工品や漬物、麺類の汁などは塩分が多くなりやすいため注意が必要
  • 香辛料を活用することが無理のない減塩に役立つ

減塩と言えば、「血圧が気になる人が気をつけるもの」というイメージを持つ方が多いかもしれません。ですが、減塩は高血圧の予防以外にも、さまざまな健康リスクの対策として役立つ可能性があることをご存じでしょうか。

今回は、血圧が気になる方にはもちろん、「自分にはまだ関係ない」と思っている20〜40代の方や、ダイエット中の方にもぜひ知ってほしい減塩の知識と方法を、あすけん栄養士が解説します。

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食塩の摂りすぎが招く主な健康リスク

食塩の摂りすぎは、血圧だけでなく私たちのカラダにさまざまな影響を与えると考えられています。具体的にどのようなリスクがあるのか、代表的なものを3つご紹介します。

肥満のリスクが上昇する可能性

食塩摂取量が増えると、肥満のリスクを上昇させるという研究報告があります(※1)。その研究では、食塩摂取量が増加するにつれて、BMI(体格指数)が上昇する傾向があることがわかりました。さらに1日の食塩摂取量が1g増えると、肥満になるリスクが21%上昇したという報告もされています。

味が濃い食事は食欲を増進させてしまう場合があるため、ダイエット中の方はうす味を心掛けると、食事の量を自然とセーブしやすくなります。

糖尿病の発症リスクにも影響

食塩自体が直接的に血糖値を上げるわけではありませんが、食塩の摂りすぎによって高血圧や肥満を招くことが、結果として血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを鈍らせる可能性があります。これにより、2型糖尿病のリスクを上昇させると考えられています。

食塩の摂取量が少ない人(1日5.8g未満)と比べて多い人(1日7.3g以上)では、2型糖尿病の発症リスクが約1.7倍上昇するという報告もあります(※1)。血糖値が気になる方で、濃い味付けが好きな方は日頃の食塩相当量に少し気を配ってみましょう。

脳卒中や心疾患のリスクと高血圧の関係

日本人の高血圧の大きな要因のひとつは「食塩摂取量が多いこと」とされています。高血圧の状態が続くと、血管に負担がかかり、脳卒中や心疾患といった重大な病気のリスクが高まることが広く知られています。

食塩摂取量を控えめにすることと併せて、健康診断などで定期的に血圧のチェックを行うことも大切です。

減塩に関するウソ・ホント!?気をつけたい塩分の基礎知識

減塩を進める中で、迷いがちな疑問や誤解について整理してみましょう。

蒸し暑い日に汗をかいたら食事にもっと塩分が必要?

熱中症対策として、暑い時期に味の濃いものを意識して食べているという方は注意が必要です。

汗をよくかく季節はこまめな水分補給が欠かせませんが、もともと日本人は日常的に食塩摂取量が多い傾向にあるため、暑いからと言って食事からさらに食塩を多く摂る必要性は低いと考えられています。

ただし、スポーツや長時間の屋外作業などで大量に汗をかく状況では、体内の水分と塩分のバランスが崩れやすくなります。その際は、経口補水液や塩タブレットなどを利用して、水分と一緒に適度な塩分を補給することが大切です。

「天然塩」は普通の塩よりたくさん摂っても大丈夫?

天然塩(自然塩)にはミネラルが含まれていることから、カラダに良いイメージを持つ方もいるかもしれません。「減塩が気になるので天然塩を選んでいる」という声も聞かれますが、注意すべきは塩の製造法ではなく、あくまで「食塩の摂取量」です。

天然塩であっても、使いすぎてしまえば食塩の過剰摂取につながります。まろやかな味わいなどの特徴を生かし、結果として使う塩の量を普段より減らせるのであれば、上手に活用してみるのも良いでしょう。

身近な食品に潜む罠!食塩を摂りすぎやすい料理とは

普段何気なく食べている食品の中には、思いのほか食塩が多く含まれているものがあります。特に注意したい食品を3つ挙げます。

かまぼこやウインナーなどの加工食品

かまぼこ・ちくわ・カニカマなどの練り製品や、ウインナー・ハム・ベーコンなどの肉加工食品は、製造の過程で食塩が使用されるため、生の食材に比べると食塩相当量が多くなりがちです。

例えば、かまぼこ(1切20g)には約0.51g、ウインナー(1本20g)には約0.38gの食塩が含まれます(※2)。これらを食べるときにさらにしょうゆやソースをつけてしまうと、食塩の摂りすぎにつながりやすいため注意しましょう。

梅干しなどの漬物

漬物は長期保存を目的に食塩が多く使われており、少量でも塩分が高くなりやすい食品です。

日本人の1日の食塩摂取目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満とされていますが、例えば梅干し1個(15g)には約3.31gの食塩が含まれている場合があり(※2)、これだけで1日の目標量の半分近くを摂ってしまうことになります。定食屋などで自由に食べられるお漬物なども、食べ過ぎには気をつけたいところです。

ラーメンやうどんなどの麺類

ラーメン、うどん、そばといった汁のある麺類は、スープまで全部飲み干してしまうと、1食で1日分の食塩目標量をオーバーしてしまうメニューもあります。そこにチャーハンや餃子などをセットにすると、さらに塩分がプラスされてしまいます。

麺の汁は1〜2口味わう程度にとどめ、残すようにするだけで、摂取する食塩を大幅にカットすることができます。ダイエットや健康維持の観点からも、スープの飲み干しは控えるのが無難です。

少しの工夫で取り入れられる!無理なく塩分を控える3つの方法

減塩と聞くと「味が薄くて美味しくない」と思われがちですが、我慢を強いずにおいしく続けるためのコツがあります。

1.食塩が多い食品を食べる回数を減らす

ハムや漬物、ラーメンなどを頻繁に食べる方は、まずその「食べる回数」を見直してみましょう。

「ラーメンは週1回まで」といったマイルールを決めたり、お弁当に入っているお漬物を少し残したりするのもひとつの方法です。毎回の味付けを薄くするよりも心理的なハードルが低いため、最初の一歩として取り組みやすい工夫です。

2.しょうゆやソースは「かける」のではなく「つける」

料理に直接しょうゆやソースをかけると、つい適量を超えて使いすぎてしまうことがあります。お弁当などについている小袋の調味料も、無意識に全部かけてしまう方が多いのではないでしょうか。

調味料は小皿に出し、食材の端に少し「つける」ようにして食べると、かけ過ぎを防ぎ、使用量を減らすことにつながります。

3.物足りないときは香辛料で風味をプラスする

味が薄くて物足りなさを感じたとき、すぐに調味料を足すのではなく、一味唐辛子、こしょう、カレー粉などの香辛料や、お酢、レモン汁などの酸味を活用してみましょう。

味にアクセントが加わるため、塩分が控えめでも満足感が得られやすくなります。また、食べる前に調味料をかけるクセがある方は、まずは一口そのまま味わってから、本当に必要かどうかを判断してみてください。

小さな工夫の積み重ねで、健やかなカラダ作りを

減塩は、血圧の数値が気になってから始めるものではなく、肥満や糖尿病といった生活習慣病を未然に防ぎ、将来の健康を守るための大切な習慣です。いきなりすべての食事を薄味にする必要はありません。まずは普段よく食べる加工食品の頻度を少し減らしてみる、麺類のスープを残すようにする、しょうゆは小皿に出してつけるなど、小さな工夫を日々の食事に取り入れてみてください。うす味を意識して続けていくうちに味覚も慣れ、食材本来の旨味を楽しめるようになると言われています。今日からできる減塩の第一歩を踏み出してみましょう。

減塩に関するFAQ

Q. 1日の食塩の目標量はどのくらいですか?

A. 厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準2025年版では、1日の食塩相当量の目標量は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。ご自身の普段の食事がどのくらいの塩分量か、栄養計算アプリなどを活用して一度チェックしてみるのがおすすめです。

Q. 暑い時期の塩分補給と減塩は両立できますか?

A. 日本人の通常の食事には十分な塩分が含まれているため、冷房の効いた室内で過ごすなど日常的な生活であれば、夏場でも特別な塩分追加は不要なことが多いです。ただし、スポーツ等で大量に汗をかいたときだけ、経口補水液などでピンポイントに塩分と水分を補うようにして使い分けるのがポイントです。

Q. 天然塩を使っていれば減塩しなくても安心ですか?

A. 天然塩(自然塩)であっても主成分は「塩化ナトリウム」であるため、使いすぎれば食塩の摂りすぎになります。ミネラルが含まれている等の特徴はありますが、健康のためには天然塩かどうかにかかわらず、1日のトータルの食塩摂取量を控えめにすることが重要です。

参考・参照
※1Long Zhou et al. “Salt intake and prevalence of overweight/obesity in Japan, China, the United Kingdom, and the United States: the INTERMAP Study.” The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 110, Issue 1, July 2019, Pages 34–40
※2日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※3厚生労働省 日本人の食事摂取基準2025年版策定検討会報告書 多量ミネラル
執筆 あすけんmore編集部
多田 綾子
監修 多田 綾子(栄養士)

化粧品ブランドに14年間勤務後、からだの内側からも美容や健康をサポートしたいという思いから栄養士の資格を取得。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。

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