「花粉症を悪化させる食べ物」はある?つらい時期に意識したい食生活の引き算と足し算
ダイジェスト
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鼻詰まりを悪化させるアルコールや刺激物を控える
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炎症を抑える青魚や粘膜に良い緑黄色野菜を摂る
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腸内環境を整える発酵食品なども意識してとり入れる
鼻水、くしゃみ、目のかゆみ……。この時期、鏡を見るのもつらいという方も多いのではないでしょうか。花粉症対策の基本は「花粉を避けること」と「適切に受診すること」ですが、私たちの毎日の食習慣も、症状の出方に少なからず影響を与えている可能性はあります。
「これを食べれば治る」という魔法の食材はありませんが、逆に「知らずに摂りすぎて症状を不快にさせているもの」は存在します。今回は、この時期に「控えたいもの」と「不足していないか意識したいもの」を整理してあすけん栄養士が解説します。

鼻詰まりを助長する?注意したい「引き算」の習慣
花粉症は、スギなどの花粉のアレルゲンに対するカラダの過剰な防御反応によるものですので、特定の食べ物が花粉症そのものを生み出すわけではありません。ただし、カラダの反応を過敏にさせたり、物理的に症状を悪化させたりする間接的な要因はあります。
アルコールと刺激物
お酒を飲むと顔が赤くなるように、アルコールには血管を拡張させる作用があります。これにより鼻の粘膜が充血して腫れ、鼻詰まりがひどくなることがあります。激辛料理などの刺激物も同様に、鼻の粘膜を刺激するため、症状がつらい日は控えめにするのが賢明です。
脂質のバランス(n-6系脂肪酸の摂りすぎ)
サラダ油や加工食品、市販のお惣菜に多く含まれる「リノール酸(n-6系脂肪酸)」は、摂りすぎると体内で炎症を引き起こす物質の材料になります。
- 避けたい行動: 揚げ物、スナック菓子、加工肉(ベーコンやサラミなど)を毎日たくさん食べる
これらは適量を食べるなら問題ないので、ご自身の食事でとり入れている油の質や量に目を向けてみましょう。
「口腔アレルギー症候群(OAS)」
普段何気なく食べている果物や野菜が、実はかゆみの原因になっているかもしれません。花粉症の方の中には、特定の植物とたんぱく質構造が似ている食べ物を口にすると、口の中がピリピリしたり、喉が痒くなったりする「口腔アレルギー症候群」を併発する方がいます。
- シラカバ・ハンノキ(春の花粉): リンゴ、モモ、サクランボなど
- イネ科(初夏の花粉): トマト、メロン、スイカなど
- ブタクサ(秋の花粉): メロン、バナナ、キュウリなど
もし特定の食材を食べた後に違和感がある場合は、それは「花粉症の悪化」ではなく「交差反応による別のアレルギー」の可能性があります。無理に食べ続けず、医師に相談しましょう。
体のバリアを整える「足し算」の習慣
「免疫力を高める」という言葉をよく耳にしますが、大切なのは粘膜も含めたカラダの健康維持と体調を整えることです。まずは食事全体のバランスを整えたり、しっかり睡眠をとるようにしたり生活習慣を見直しましょう。その上で、意識したい栄養素や食べ物の一例を紹介します。
炎症を抑える「n-3系脂肪酸」
引き算で紹介した「n-6系」とは逆に、炎症を抑える方向に働くのが青魚に多い「n-3系脂肪酸(EPA・DHA)」です。
- 食材: サバ、イワシ、サンマ
週に2〜3回はお肉を魚に置き換える習慣が、体のバランスを整えます。
粘膜を健やかに保つ「ビタミンA」
鼻や喉の粘膜は、ウイルスや花粉の侵入を防ぐ第一線のバリアです。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。日々の食事に緑黄色野菜をとり入れるようにしましょう。
- 食材: にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜
これらを油と一緒に調理することで、ビタミンAの吸収率がアップします。
腸内環境を整え、土台を安定させる
私たちの体のコンディションを司る機能の多くが腸内の細胞にあることがわかっています。食物繊維や発酵食品を日常的に取り入れ、腸内環境を良好に保つことは、季節の変化に揺らぎにくい体づくりに繋がると考えられます。
- 食材:発酵食品(納豆・味噌など)、野菜、海藻、きのこなど
食生活を見返して、できるところから変えてみよう
症状を悪化させることをしていないか、ご自身の食事を見返す際には以下の3点をチェックしてみてください。
- 「お酒を飲みすぎていないか?」
- 「揚げ物や菓子パンが続いていないか?」
- 「緑黄色野菜が不足していないか?」
「今日は鼻がつらいから、夜のお酒を控えて焼き魚にしよう」といった、ちょっとした行動でOKです。普段の食生活の見直しに役立ててください。
基本の花粉症対策は、花粉を避ける・洗い流す、出てくる症状を抑える治療を行うことなどです。花粉症の症状はストレスになりますので、早めに対処をし、少しでも楽に花粉の季節を過ごせるようにしてくださいね。
化粧品ブランドに14年間勤務後、からだの内側からも美容や健康をサポートしたいという思いから栄養士の資格を取得。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。